歯周病治療

歯周病とは

歯周病は治ります!! 永い間、歯周病は加齢現象の一つだと言われてきました。しかし、適切な治療とメインテナンスにより歯周病は治せる時代となったのです。現在、多くの研究により歯周病の病態解明が進み、歯周病の原因がはっきりしてきました。要は、その原因を除去するだけなのです。非常に単純なことなのです。口臭も多くの場合は歯周病を治療することで改善されます。

歯の土台となっているのは骨・歯肉です。その骨・歯肉が歯周病によりダメージを受けているまま、被せ物(さし歯等)が入ってしまうと、ぬかるんだ地盤に家を建てているようなものなので、当然長持ちしません。当院では、被せ物(さし歯等)を入れる前に徹底的に地盤を固める歯周病治療をすることをお勧めしています。この歯周病治療は、当院で最も力を入れている治療といってもいいかもしれません。

この歯周病をしっかりコントロールすることが歯科の治療を成功に導く上で最も重要なことだと当院では考えています。

ながら磨きについて

当院ではプラークコントロールを習慣づける最良の方法として、「ながら磨き」をお薦めします。
✠  プラークとは
プラークは実は食べかすではありません。例えるならばお風呂を流した後に残るぬめりと同じようなものと考えてください。このぬめりがプラーク(歯周病菌)です。
プラークは歯ぐきの際に多く、歯周病や虫歯の原因となりますので、歯ぐきの際を徹底して磨いてプラークを取り除きましょう。
✠  ながら磨きとは
洗面所で5分歯磨きをするのは辛いものです。また、歯磨き剤をつけて磨くとスッキリしてしまい実際には磨けていなくても十分な気になってしまいます。そこで、夕食後、就寝前に長い時間磨いていただくために上下顎15~20分、たとえばTVを見ながら、雑誌を読みながら、お風呂に入りながらの歯磨きをお薦めしております。

※すべての歯に対して歯と歯ぐきの間に歯ブラシの毛先が当たるように磨いてください。
✠  歯磨き時の出血について
プラーク(歯垢)は細菌(歯周病菌)です。慢性的に沈着しているので歯ぐきに痛みはありませんが充血します。そこに歯ブラシが当たると充血したところから血が滲みます。この出血は傷によるものではありませんので、出血の多い部位はより丁寧に優しく磨いてください。痛くない場合は出血を恐れずに磨いてください。
プラークの量が減り炎症が消失すると2週間くらいで歯ぐきが引き締まり出血しなくなります。
ながら磨きを習慣つけることにより、一生口臭の心配をせず歯の健康を保つことが可能になります。お口の健康を守るため、一緒に頑張っていきましょう!

リグロス(歯周組織再生療法)

リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。
フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。

また、2016年9月よりリグロスによる歯周組織再生療法は保険適用となりました。

リグロスによる歯周組織の再生

リグロスは、成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。
これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。

フラップ手術におけるリグロスの塗布

フラップ手術後の注意点

  • 抜糸するまで手術部位には触らないでください
  • 手術当日は、強く口をゆすいだり、飲酒などは控えてください
  • 手術部位の歯みがきなどは歯科医師もしくは歯科衛生士の指示に従ってください
歯周組織再生療法後のスケジュールは患者さんによって異なります。
担当の歯科医師もしくは歯科衛生士の指示に従ってください。

リグロス(歯周組織再生療法)の治療例

治療前

リグロス(歯周組織再生療法)の治療前

治療後(約3年後)

リグロス(歯周組織再生療法)の治療後
骨が溶けてしまっていた部分に、新しく骨が新生されました。